小林多喜二『蟹工船』読書感想文ポイント解説とアレンジのコツ

蟹工船 読書感想文 書き方 感想文アレンジ
蟹工船 読書感想文 書き方

――社会を「自分ごと」にするために

はじめに

小林多喜二の『蟹工船』は、過酷な労働環境に置かれた人々の姿を描いた社会派小説です。読書感想文では、「ただの歴史の話」ではなく、自分のこととしてどう受け止めたかを言葉にすることが大切です。

この記事では、例として紹介した『蟹工船』の読書感想文をもとに、そのポイントを簡単に解説しながら、「自分だけの感想文」にアレンジする方法をくわしく紹介していきます。


読書感想文例のポイントをざっくり整理

はじめに、今回の感想文例から学べる基本ポイントを3つにまとめます。

① 作品を「テーマ」としてとらえる

『蟹工船』を読んで、私は「人間らしく生きるとは何か」「声を上げる勇気の大切さ」について考えさせられました。

冒頭で自分が感じ取った大きなテーマを明示しているので、感想文全体がぶれません。

② 印象的な場面に「感情」をのせて語る

最初はバラバラだった労働者たちが、少しずつ気持ちをひとつにしていく過程です。

ただ出来事を追うのではなく、その場面を読んでどう感じたかをしっかり書いています。

③ 現代とのつながりを自分の言葉で示している

ブラック企業や非正規雇用、貧困問題など、「働くこと」が誰かを追い詰めている現実は今もあります。

昔の話として終わらせず、今の社会や自分の経験に引き寄せているのがポイントです。


オリジナル感想文にアレンジする3つのステップ

感想文は「例文をそのまま書くもの」ではなく、「例文をヒントに自分の言葉を考えるもの」です。ここでは、例文を引用しながらアレンジの方法を具体的に紹介します。


ステップ①:「どの場面が心に残ったか?」を自分の目線で書く

感想文例では、労働者たちが団結する場面が取り上げられています。

最初はバラバラだった労働者たちが、少しずつ気持ちをひとつにしていく過程です。

この部分を、自分がもっと印象に残ったシーンに差し替えてOKです。

アレンジ例:

私が特に印象に残ったのは、監督の理不尽な命令に黙って従っていた人たちが、初めて「もう限界だ」と声を出す場面でした。弱くても、言葉を発することで力が生まれるのだと感じました。

→ 自分の「心が動いたところ」を軸にして書くと、文章に説得力が出ます。


ステップ②:作品の内容を「自分の経験」や「実感」と結びつける

例文では社会問題と自分の生活の接点を見つけています。

今の日本では、私たち学生も、自分の意見を言ったり、違和感を口に出したりする機会はあります。でも、本当の意味で「反対」や「おかしい」と言うのは、勇気がいることです。

これを参考に、自分自身の経験や日常の気づきを入れてみましょう。

アレンジ例:

私も、クラスで誰かが先生にきつく注意されていたとき、「それはちょっと違う」と感じたことがありました。でも、そのときは何も言えませんでした。『蟹工船』を読んで、「声を上げる」ことの重みと難しさをあらためて思いました。

→ 小さな経験でも、「自分ごと」で語ると、読んでいる人の心に残ります。


ステップ③:「この本を読んで、どう生きたいか」を具体的に

感想文の終盤で、自分のこれからの行動や意志をはっきり書くと、締まりのある文章になります。

たとえ小さなことでも、自分が「おかしい」と思ったことには目を向けたいと思います。そして、誰かが困っているときには、見て見ぬふりをせず、声をかけたり、手を差し伸べられるような人でありたいです。

ここを自分らしい言葉に言いかえてみましょう。

アレンジ例:

もし今後、友人が理不尽な目にあっていたら、私はちゃんと「それはおかしい」と言いたいです。最初の一歩は怖いかもしれないけれど、黙っていたら何も変わらないと気づかされました。

→ 理想や希望を「行動」に置きかえることで、ぐっとリアルな文章になります。


おわりに:社会を知ることは、「自分を知る」こと

『蟹工船』は、ただつらい労働の話ではなく、「生きるとは何か」「人間らしさとは何か」を問う物語です。感想文を書くときは、登場人物の思いや行動を「自分だったらどう感じるか」という視点で受けとめてみてください。

読書感想文は、作品について書くようで、実は「自分について書く」ものです。自分の感じたこと、考えたことを信じて、他の誰にも書けない一文を残してみましょう。

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