電磁パルス攻撃(EMP)って何?現実に備える防災術とは

近年、防災意識の高まりとともに注目されているのが「電磁パルス攻撃(EMP)」という言葉です。映画やSF作品で登場することもあるこのEMP攻撃は、決して空想のものではなく、現実に国家レベルでのリスクとして捉えられつつあります。この記事では、EMP攻撃の概要から、その現実的なリスク、そして私たち一般家庭でもできる防災対策について詳しく解説します。


EMP攻撃とは?

EMPとは「Electromagnetic Pulse(電磁パルス)」の略で、大量の電磁エネルギーが一瞬にして放出される現象を指します。この電磁波が広範囲に広がることで、電子機器や電力インフラに深刻なダメージを与える可能性があります。

EMPの原因には、以下の3つがあります:

  1. 核爆発による高高度EMP(HEMP):高度30km〜400kmの上空で核爆発が発生すると、地球全体に影響を与えるEMPが発生することがあります。
  2. 非核EMP兵器(NNEMP):核を使わずにEMPを発生させる特殊な装置。限定的な範囲で電子機器を無力化します。
  3. 太陽フレアや磁気嵐による自然発生EMP:宇宙天気とも呼ばれる現象で、大規模な太陽嵐により、地球に到達した電磁波が送電網に障害を与えることがあります。

EMP攻撃の現実的リスク:可能性はあるのか?

2022年のロシア・ウクライナ戦争を契機に、電子戦やサイバー戦の注目度が増し、EMP兵器の可能性も議論されています。特に軍事的な標的として通信施設や発電所などを一時的に機能不全にする目的で使用される懸念が高まっています。

日本においても、政府はこうしたリスクに無関心ではいられません。内閣官房の「国民保護ポータルサイト」では、核攻撃や電磁波障害も視野に入れた国民保護計画が公開されています(内閣官房:国民保護ポータルサイト)。

また、総務省の「電波監視システム」や防衛省の「防衛白書」でも、電磁波兵器やEMPの研究・監視に関する記述があり、事態の深刻さをうかがわせます。


EMP攻撃がもたらす影響

EMP攻撃が成功した場合、社会インフラは以下のような影響を受ける可能性があります:

  • 送電網の停止:トランスや変電所が破壊されると、数週間〜数ヶ月単位で停電が続くおそれがあります。
  • 通信網の崩壊:スマホ、インターネット、固定電話、ラジオなどの通信機器が全て使用不能になるリスク。
  • 交通機関の麻痺:信号システム、電車、航空管制システムが影響を受け、都市機能が停止。
  • 医療機関の機能不全:電子カルテ、診察機器、薬品の冷蔵管理など、病院の多くの機能が失われます。

このような社会的混乱は、地震や津波とは異なり“目に見えない災害”として広がるため、事前の知識と準備が特に重要になります。


私たちができるEMP対策とは?

EMPに対する完全な防護は国家レベルでのインフラ整備が求められますが、家庭でもある程度の備えは可能です。以下のような対策が有効です:

1. ファラデーケージの活用

金属製の箱や網で覆うことで、EMPから中の電子機器を守る方法です。電波を遮断することで内部への影響を抑える仕組みで、簡易的には金属缶やアルミホイルでも代用可能。

2. アナログ機器の準備

手回しラジオ、乾電池式ランタン、紙の地図、アナログ時計など、電力や通信に依存しない機器を備えておくことで、情報収集や日常生活に役立ちます。

3. 長期停電への備蓄

冷蔵庫が使えないことを前提に、レトルト食品や缶詰、水、携帯トイレなどの備蓄は欠かせません。政府の推奨として、最低でも3日分、できれば7日分以上の備蓄があると安心です。 (参考:内閣府「防災情報のページ」

4. 無線通信手段の習得

携帯電話が使えなくなった場合の代替手段として、「アマチュア無線」や「簡易無線機(特定小電力無線)」の使用が考えられます。無線従事者免許は国家資格であり、取得者は災害時の通信手段として活躍できます。 (参考:総務省:無線従事者制度


まとめ:EMP対策は現実的な“防災の一部”へ

EMPという言葉にSF的な印象を持っていた方も多いかもしれませんが、現代においては決して非現実的な脅威ではありません。通信や電力への依存度が高まる中で、「目に見えない電磁波の災害」に備える意識は、これからの防災の新常識になるでしょう。

まずは、アナログ手段や備蓄の見直し、そして情報収集の継続から始めてみてください。そして本記事で紹介したような政府の公式サイトも、定期的にチェックして最新の知見を得ることをおすすめします。


関連リンク集(参考サイト)


EMPへの備えは決して特別なものではなく、日々の暮らしに“少しの工夫”を加えることで対応可能です。身近な防災の一環として、ぜひ今日から取り組んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました