現代社会では、スマートフォンやインターネットを通じた通信が当たり前のものになっています。しかし、大規模な災害や電磁パルス(EMP)攻撃、サイバー攻撃などによって、これらの通信手段が突然使えなくなる事態も想定されています。そんな時に、命綱となる可能性があるのが「アマチュア無線」です。
本記事では、アマチュア無線の概要と、その資格が災害時にどのように役立つのかを分かりやすく解説します。
アマチュア無線とは?
アマチュア無線は、個人が非営利目的で無線通信を楽しんだり、技術の習得・発展のために使う無線通信手段の一つです。国家資格である「アマチュア無線技士」の免許を取得することで、法的に無線局を開設し、他のアマチュア局と通信することが可能になります。
アマチュア無線の資格には、以下の4つの等級があります:
- 第四級アマチュア無線技士(最も簡単・初心者向け)
- 第三級アマチュア無線技士
- 第二級アマチュア無線技士
- 第一級アマチュア無線技士(最高位)
第四級は独学でも比較的取得しやすく、災害対策を目的とするならこの資格で十分なことも多いです。
なぜ災害時に無線が有効なの?
地震や台風、EMP攻撃などで携帯電話の基地局や光回線が機能しなくなると、電話やインターネットは完全に停止してしまいます。こうした状況下で、自前の電源とアンテナさえ確保できれば、無線通信は外部とつながる唯一の手段になります。
実際、2011年の東日本大震災では、多くのアマチュア無線局が被災地と外部の連絡を仲介し、家族の安否確認や物資支援の呼びかけに役立ちました。
また、アマチュア無線は携帯電話と異なり、「一対一」の通信だけでなく、「一対多」の発信ができるため、地域の情報共有にも向いています。
アマチュア無線の免許はどうやって取るの?
最も簡単な第四級の資格は、講習会を1日受けるだけで、試験に合格すれば免許が発行されます。
- 講習費用:約1万5,000円〜2万円前後
- 所要時間:1日(6〜7時間)
- 年齢制限:なし(小学生でも取得可能)
講習では、電波の基礎知識や無線機の扱い、電波法の規則について学びます。講習修了後に国家試験を受け、合格すれば申請を経て免許状が交付されます。
必要な機材と費用感は?
免許を取得しても、無線機がなければ通信はできません。以下が一般的に必要な機材です:
- 無線機(ハンディタイプ):1万〜3万円程度
- アンテナ:設置場所によって異なるが5千円〜
- 電源(バッテリー or ソーラー発電):数千円〜
初期費用としては、安く見積もっても3万〜5万円前後でひと通り揃えることができます。中長期的に災害への備えと考えれば、比較的コストパフォーマンスの高い投資です。
アマチュア無線はどこまでつながるの?
使用する周波数や出力によって異なりますが、第四級で使える430MHz帯(UHF)であれば、市街地で数キロ〜10km程度、見通しが良ければそれ以上の通信が可能です。
また、中継局(レピーター)を利用すれば、さらに広い範囲の通信も可能ですが、大災害時には中継局自体がダウンしている場合もあるため、基本的にはローカルエリアでの通信を想定するとよいでしょう。
最後に:アマチュア無線は「自衛手段」である
無線の知識と機材を持っているだけで、いざという時の情報格差を大きく縮めることができます。現代のように「通信がある前提」で成り立っている社会では、通信断絶が直ちに生命や安全に関わるリスクになります。
アマチュア無線は趣味としても人気ですが、非常時の通信インフラとしての側面も強く、まさに**「自衛の道具」**とも言える存在です。これを機に、ぜひ取得を検討してみてください。
